タイ高専(KOSEN-KMITL)から秋田高専へ研修に来ていた10名の学生たちが、1ヶ月間にわたる研修プログラムを無事に修了し、研修の最終日である10月30日には、学びの集大成となる報告会が開催されました。
 学生たちはこの1ヶ月間で取り組んだ課題研究の成果を堂々と発表し、その後、修了式にて修了証書が一人ひとりに手渡されました。別れを惜しみつつ開催されたフェアウェルパーティー(お別れ会)では、彼らが歩んだ濃密な日々を振り返り、国際的な友情をさらに深めました。
 彼らは日本の先進的な技術教育と深い文化に触れ、「グローバルエンジニアへの第一歩」を力強く踏み出しました。 

実践力を磨く!密度の濃い専門実習
 本研修は、日本政府がタイとの協力のもとで推進する「タイ高専プロジェクト」の一環として行われ、タイの学生が日本の高専における実践的な学びを体験し、世界で活躍できるエンジニアを育成することを目的としています。
 タイ高専の学生たちは、電気・電子・情報系を中心としたカリキュラムに精力的に取り組みました。具体的な専門プログラムとしては、「電気情報基礎実験、コンピュータ基礎(電気・電子・情報系3学年)」や、環境技術に触れる「太陽光発電セル実習」など多岐にわたります。
 また、異分野の知識を深める「物質・生物系3学年の生物化学」や「4学年開講の英語V」の授業も受講しました。特に、滞在中には「基礎工作実習」を通じてモノづくりの基礎を体験し、プロジェクトワークと日々のデイリーレポート提出を通じて、課題解決能力と高度な学習習慣を身につけました。

日本の「モノづくり」と文化を体感
 教室での学びだけでなく、日本の技術と文化への理解を深める機会も多数設けられました。「モノづくり大国ニッポン」の最先端技術を肌で感じるため、学生たちは企業見学ツアーに参加しました。訪問先は、TDK株式会社本荘西サイト、ミネベアミツミ株式会社秋田事業所、エイブリック株式会社といった日本の先進企業であり、現場の技術レベルの高さに触れ、将来の刺激としました。
 また、異文化交流も活発に行われました。高専祭には自由に参加し、茶道体験などを通じて、日本の伝統文化を深く学びました。さらに、研修期間中には秋田高専の図書館で「タイフェア」が開催され、本校学生を含めた異文化理解が大きく促進されました。

秋田高専が未来へ繋ぐ国際連携
 本研修に参加したタイの学生たちが、国際社会で活躍するエンジニアとしての基礎を築くことを期待しています。同時に、本校の学生にとっても、異文化理解を深め、国際的な視野を広げる貴重な機会となりました。
 秋田高専とKOSEN-KMITLとの交流は、これからも続きます。この11月(11/2~11/9)に、本校学生18名(予定)がタイのKMITLを訪問し、タイの文化と最先端技術教育を体験する交流研修に参加する予定です。
 秋田高専は、今後もグローバルな視点を持った人材育成に注力し続けます。「秋田から世界へ、技術と未来を繋ぐ」。私たちは、国際連携の強化を通じて、未来を担う若いエンジニアたちを全力でサポートしてまいります。