学校案内

|掲載日 2024/12/11|掲載内容有効期限 —-/–/–|担当者 総務課総務係|

 

 

校長のあいさつ

 

 

 

 

 皆さまいかがお過ごしでしょうか。
 秋田高専のホームページにようこそ。
 秋田高専の校長の高橋です。

 

 前回、高専祭についてご報告申し上げました。

 高専祭は、学生の自主的な活動ですが、大事な教育活動の一環です。

 自ら企画して実行する。仲間と相談して役割分担をして協力していく。ご支援いただく方々との関係や安全面にも気を配って進めていく。学生たちは、高専祭に実に積極的に取り組んで大いに楽しんでいました。

 秋田高専の教育方針は、自立・挑戦・創造です。学校全体として学生の自主性を重視しています。少なくとも高専祭に関しては、学生の自主性が大いに発揮されたといえるでしょう。

 

 では、勉強の面では学生たちは自主性を発揮して取り組んでいるのでしょうか。秋田高専として学生の自主性を育み活かしていく指導はできているのでしょうか。

 高専は中学を卒業してから本科五年間の一貫教育ですが、実力あるエンジニアを養成するために高い教育目標を掲げています。このことから、高専は勉強が難しいところ、勉強で失敗すると容赦なく留年させられる学校、というイメージがあるかもしれません。

 難しい内容の勉強を学生に強制して、試験の点数が悪いと留年するからと急き立てるようにして勉強させる。そんなやり方では学生の自主性どころではありません。

 しかし、実際の秋田高専の教育というのは、少なくとも現状では詰め込み教育とは程遠いものになっています。むしろ学生の自主性を重んじるあまりに放任主義に陥っているのではないか、もっと学生に積極的に働きかけて指導していくべきではないか、かつての厳しい指導と比較して現在の教育内容が物足りないものになっているのではないか、と危惧する教員も多くいます。

 詰め込み教育ではなくて、落第するぞと言って駆り立てるのではなくて、学生が自主性を身に付けて自ら学ぶ姿勢で勉強に取り組むこと。しかし、学生任せの放任主義にならないこと。

 自主性という心構えは、物事に取り組む姿勢に現れるのかもしれませんが、学生に自主性を身に付けさせ発揮させるためにはどうしたらよいのでしょうか。

 前述した高専祭や、部活動、その他ホームページでご紹介申し上げている学生の活躍を見れば、多くの学生が海外研修に参加することを希望し、学校外で成果を堂々と発表することのできる秋田高専の学生は、なにかのきっかけさえあれば意欲をもって挑戦して、自分で考えて自分で工夫をして進んでいく力を十分に持っていると考えます。

 高専生活本科五年間の流れの中で、どういう工夫をすれば学生にきっかけを与えることができるのか、試行錯誤が必要です。

 一年生は、まず高専生活に慣れることが大事となります。秋田高専では、一年生はコースに別れずに共通教育を受け、勉強の内容も中学からの延長線上で進めます。二年生から四つの系に別れて専門の勉強に入っていきます。二年生から一気に高専らしい勉強に入っていきます。

 ここで嘆かわしい傾向があることを正直に告白しなければなりません。

 一年生のうちは、高専に入ってきた緊張感があり、中学までの勉強の延長ということもあって、勉強に取り組む姿勢もしっかりしていて成績の面でも苦手を克服する効果が現れています。ところが、二年生になって急に気が抜けたようになってしまう。高専の勉強は難しくて進級も厳しく審査されるので留年してしまう可能性もある、と入学前はきかされていたので一年生の間は緊張していても、実際に一年生を切り抜けるとなんとかなるものだと安心してしまって気が抜けてしまう。これは秋田高専以外の高専でもみられる傾向のようです。

 秋田高専では、手始めに放課後に「自学自習」の時間を設定しました。高専祭が終わったタイミングをとらえて始めました。授業の終わった後に、学生が授業の復習や課題を学校に残って取り組む時間です。これは全学年を対象としています。上級生はそれぞれの専門に別れて研究室のテーマもあるでしょう。一年生二年生で「自学自習」の手がかりがつかめないような場合には、教員が課題を出して指導します。

 「自学自習」という、それだけで学校全体の教育目標となるような大きなテーマです。そのための時間を設定したからといって実現できるようなものではありません。

 学生諸君が自学自習を自分のこととして捉えて取り組んでいけるのか、指導する教員がいかに工夫をして学生を導いていけるのか。

 尻込みしていてもしかたがありませんから、自立・挑戦・創造の秋田高専としてやってみることにしました。

 来年度からは、この他に、学生生活全般を指導していく重要な担任の役割を重視した教員の再配置、ベテラン教員による専門教育の入口となる二年生を対象とした専門科目の先取り補習指導、二年生から自ら課題を探して設定して卒業まで取り組む「自主探究型卒業研究」の導入、等を準備しています。

 特に来年度から本格的に推進する風力発電をテーマとした人材育成プロジェクトにおいては、学生に早い時期から風力発電に関わる様々な体験の機会を与え、具体的なテーマをもって勉強を深めていけるような教育課程の再編成をおこないます。

 学生の自主性を育てていくためには様々な工夫をしなければなりません。学生とのかかわりを深めつつ、学生の意欲と自主性を引き出す試行錯誤を進めていくことにしています。

 

 

校長 高橋 雅之

 

 

 

 

 

 


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