学校案内

|掲載日 2024/07/17|掲載内容有効期限 —-/–/–|担当者 総務課総務係|

 

 

校長のあいさつ

 

 

 

 皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 秋田高専のホームページにようこそ。

 秋田高専の校長の高橋です。

 

 7月となり、秋田高専では運動部の諸君が第61回東北地区高等専門学校体育大会に参加しました。

 高専は5年制ですから、1年生から3年生までは高等学校の大会に参加できますが4年生と5年生は参加できません。そこで高専が集まっての運動部の大会として、高等専門学校体育大会があります。

 各高専が競技を分担して地区予選を行い、夏休みに全国大会が開催されます。今年度は、秋田高専は東北地区大会のサッカーとハンドボールを担当し、全国大会は北海道で開催されます。

 私も、サッカーとハンドボールの試合を応援に行きました。

 サッカーは天候が心配されましたが、会場となった秋⽥県⽴中央公園球技場のコンディションが素晴らしく、無事に開催することができました。

 部活動は我が国教育において長い伝統を持ち、運動部も文化部も大事な学校教育の一部です。人間形成や仲間づくりの面で大きな教育効果を上げ、我が国のスポーツや文化活動を人材育成の面などで支えてきました。私は高校のときは絵画部に所属しましたが、私以外の部員のほとんどが美術系の大学への進学を希望していて、美大受験のためのデッサンに取り組んでいました。さながら美大受験予備校の観を呈しておりました。

 昨今は部活動の行き過ぎの面や、指導する教員の負担が過重となるデメリットが指摘されています。

 しかし、部活動をうまく教育活動に取り入れれば、学生は授業で学ぶ以上のことを部活動で学ぶことができ、先輩や仲間との自主的な活動を通した人間的な成長が期待できます。

 高専=ロボコンというイメージもあるかもしれませんが、ロボコンもロボコン部という部活動なのです。昨年度秋田高専が全国大会に出場した英語スピーチコンテストも、学校では部活動の一環として運営されています。

 秋田高専では、運動部や文化部、ロボコン部等の高専ならではの部など、多彩な部活動が展開されていますが、活動の時間は原則として5時までをルールとして、活動が行き過ぎないようにしています。

 指導に当たる教員も、ロボコンや英語スピーチコンテストは秋田高専の教員が指導できますが、例えば今回秋田で開催されたハンドボールなどは、指導できる教員がいないために外部のコーチをお願いして指導してもらっています。大会本番もコーチの指導のもとで試合に臨みます。

 高専出身プロ野球選手として阪神の石井投手が話題の秋田高専ですが、エンジニアを育成するという学校の目的と、部活動の教育効果とのバランスを考えての活動を心がけています。また、部活動を支えているのは秋田高専の保護者の方に加入していただいている後援会からの援助です。ここで改めて御礼を申し上げたいと思います。

 部活動では、大会に参加すれば勝つこともあれば負けることもあります。ハンドボール部のコーチが試合の反省会で指導していましたが、試合の勝ち負けは練習の結果でしかありません。練習が十分で準備ができていれば勝ち、不十分であれば遅れをとります。

 勝っておごること、負けてくさること、があってはなりません。あくまでも練習の結果が出ただけですから、反省して次に活かしていく態度が必要です。

 また、それ以上に大事なことがあります。

 ハンドボールの試合の際にですが、暑い中で体育館での試合です。秋田高専の選手の何人かが足がつってしまって倒れ込むケースがありました。その際、観戦していた仙台高専名取キャンパスの選手が誰に言われるまでもなく倒れた秋田高専の選手を介抱してくれていました。仙台高専名取キャンパスのハンドボール部は、部員が少なくて今回の地区大会では思ったような成績ではなかったのですが、それは彼らのスポーツマンシップとは関係のないことです。試合に全力で取り組み、空いた時間に気がつけば自然に助けの手を差し伸べる姿勢は、素晴らしいと思いました。

 また、ハンドボールは接触プレーの多い競技です。選手同士が絡み合って倒れ込むようなこともよくあるし、ボールを追ってぶつかることもあります。そんな際に、ちょっと手を上げてさっぱりと分かれて試合を続ける姿がよく見られました。

 このような清々しい姿勢を学生が身につけていることは、見ていてうれしくなりました。このような良き伝統は先輩から後輩に引き継いでいかなければなりません。

 高専は、本科5年を終えて社会に出れば二十歳です。大人として責任を背負い自分の力で生きていかなければなりません。そのときに、人間として信用され受け入れてもらい、仲間と力を合わせて成し遂げていくことのできる態度がとれることが必要になります。

 秋田高専の学生諸君を見るとき、とても素直で人間としての真面目さを感じます。しかし、どんなによいところがあっても魅力的な人格であったとしても、社会に出れば、それを自然に表に出して行動に表すことができなければ仲間もできませんし、人々から受け入れられること難しいと思います。

 ひとが話をしているのに私語をしたりスマホに夢中になっていたりは、考えるまでもなく好ましくありません。日常における挨拶やちょっとした声掛け。困っている人を見れば自然に助ける。先程述べた選手の振る舞いの例にあるようなことが、日常の中で自然にできるようになっていることが望ましいのです。

 私は、高専生に高専から飛び出して色々な経験をしてもらいたいと思っています。

 高専は学校です。学校とは、基礎基本を身に着け、守らなければならないルールを教えてもらうところです。それを基にして学校から飛び出して、大学に行ってみて大学生と、企業訪問やインターンシップに行って企業の皆様と、外国に行って現地の人々と、さまざまなふれあいと交流、時にはぶつかり合いを経験してもらいたいと考えています。

 そのために、海外研修のプログラムを増やしたり、グローカル人材育成会の会員企業にお願いをしたり、秋田の大学等との合同のイベントを企画したりしてみています。

 そこで秋田高専の学生として、あくまでも清々しく、それぞれの持つ人間的な魅力を発揮できるようにしてほしいと思います。

 今年度は、9月の最初にシンガポールでの語学研修があり、同じ時期にタイの高専KMUTTとの交流研修が予定されています。シンガポールでの英語研修は、シンガポールポリテクニックと秋田高専との長い協力のもとで確立してきた伝統となっており、今回から一関高専を始めとする他の高専からの参加者も一緒にシンガポールに行きます。KMUTTとの交流研修については、KMUTTの学生寮に泊まってKMUTTの学生と生活をともにし、一緒に授業を受けるプログラムが提案されています。KMUTTのご厚意に心から感謝します。秋田高専と香川高専とでKMUTTを訪問する予定です。

 

 高専の仲間が世界に広がっています。高専生は本当に恵まれています。高専生というだけで国内外を問わず門戸が開かれているのです。

 ご協力をいただいている皆様に心からの感謝を申し上げますとともに、高専生に一層のチャンスを与えるために今後とも一層のご指導とご支援をお願い申し上げます。

 

 

校長 高橋 雅之

 

 

 

 

 

 


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