秋田高専は、国際的な視野を持つ技術者育成を強化するため、この度、タイ王国のKOSEN-KMITL(KOSEN-King Mongkut's Institute of Technology Ladkrabang)との間で、「MOU(基本合意書)」を締結いたしました。

このMOU締結に合わせて、本校学生による7泊8日間のタイ交流研修も実施され、学生たちは国際的な環境の中で、実践的な技術とコミュニケーション能力を磨き上げました。本校の高橋雅之校長も研修に同行し、KMITLのナッタウット・デパイワ校長と共にMOU合意書に署名いたしました。

未来を創る国際協力:タイ高専との強固なパートナーシップ

 このMOUは、本校とKOSEN-KMITLが対等な立場と互恵関係を基盤とし、学術的および教育的な協力を発展させることを目的としています。この協力関係を通じて、両校は持続可能なパートナーシップと相互理解を促進していきます。

 トップ同士の強い連携のもとで署名されたこの協定は、秋田高専の国際化戦略における歴史的な飛躍の一歩となります。締結内容としては「1. 学生交換留学」「2. 教職員・研究者の交流」「3. 共同研究活動」「4. 継続教育プログラム」「5. セミナーやシンポジウムへの参加」「6.  教育資料・情報の交換」「7.  技術的な支援」の七つの柱が盛り込まれ、本校が目指すグローバル教育の学びのフロンティアを大きく広げるものです。

世界で試す実践力!7泊8日のタイ交流研修

  MOU締結のタイミングに合わせ、本校の学生もタイでの貴重な学びの機会を得ました。本研修は、11月2日から11月9日までの7泊8日間で実施され、本科1年生から5年生までの計18名の学生が参加しました。

 研修の中心となったのは、協定を結んだKOSEN-KMITLでのプログラムです。学生たちは、タイ高専の学生たちと共にグループワークに取り組みました。

 参加学生には、観光旅行ではなく研修であることを自覚し、現地の学生と英語で積極的に議論に参加する意欲が求められました。
 学生たちは、タイ語での挨拶にも挑戦するなど、積極的に現地文化に触れる姿勢を見せました。研修に備え、学生たちは事前に、現在の学年、好きな科目、海外研修に参加した目的や将来の夢について、英語で簡単な自己紹介ができるように準備を重ねました。
 この経験は、将来、国際社会で通用する技術者になるための貴重なコミュニケーション能力を養う機会となったはずです。

グローバル企業の視察と文化的理解

 研修初日には、日本の日本ゼオン株式会社の海外拠点であるZeon Chemicals Asia Co., Ltd.を訪問し、最先端の技術が海外でどのように運用されているのかを学びました。この視察は、学生たちが将来のキャリアをグローバルな視点から捉え直す、大きなきっかけとなったことでしょう。

 さらに、帰国前日はバンコク市内を観光する等、異文化を肌で感じる機会も設けられました。学生たちは、研修期間を通じて、タイ王室への敬意を示すこと、緊急時を除き僧侶に触れないこと、また寺院訪問の際には露出度の高い服装を避けるなど、異文化圏での行動規範についても学びました。

地域から世界へ羽ばたく秋田高専

 この度のMOU締結と実践的な研修の実施は、秋田高専が「地域から世界へ」優秀な技術者を輩出するという強い決意の表れです。

 私たちは、タイ高専との強固なパートナーシップを通じて、学生たちが異文化を理解し、グローバルな課題に立ち向かう力を身につけられるよう、今後も国際交流プログラムを積極的に展開してまいります。