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校長の坂下です。

6月から、文部科学省で「高等専門学校の機能強化に関する検討会」が開催されています。
検討の背景として、将来の社会・産業構造の変化や少子化の進展等を背景として、実践的・創造的な技術者を養成する高等専門学校の役割が一層重要となっていることなどがあげられています。6月12日に示された文部科学大臣のイニシアチブによる「高等専門学校の機能強化に関するパッケージ(仮称)の方向性について」では、機能強化の方向性として、高専の「量的拡大」、高専教育の「質的向上」、高専卒業者の「国際通用性確保」の3つの柱が掲げられました。そのうち「質的向上」においては、デジタル技術や生成AIの急速な発展、GXのニーズ、半導体をはじめとする戦略分野の成長などの産業構造変化等に対応し、高専の役割に「研究」の追加を検討するという項目が入っています。

そこで、今回は、秋田高専の研究力について、ご紹介したいと思います。

まず、秋田高専教員の科研費(科学研究費助成事業)の獲得状況です。秋田高専は、令和7年度実績で、金額ベースでは全国51の高専中2位、件数ベースでは4位の位置にあり、研究力の高い教員が多数在籍していることを示しています。研究内容は、機械、電気・電子・情報、物質・生命、建築・土木まで多様性に富み、秋田県の地域の特色を活かした研究も活発に行われています。

また、教員だけでなく、学生や技術専門職員の研究面での活躍も続いています。
最近の成果をいくつか紹介します。

令和8年3月の第60回日本水環境学会年会では、本校専攻科グローバル地域創生工学専攻2年の原田光彩さん(発表当時)が、学生ポスター発表賞(ライオン賞)最優秀賞を受賞しました。受賞対象となった発表題目は「下水処理場における3年間の長期調査と生成活性評価に基づくN₂O発生特性の解明」です。本賞は、大学4年生および高等専門学校専攻科2年生を対象とした賞であり、発表を聴講した参加者の投票により受賞者が決定されます。今回、3年間にわたる地道な研究成果が高く評価され、全国の大学生の発表を含む中で最優秀賞に選ばれました。
https://www.akita-nct.ac.jp/2026042301-2/

令和8年3月の日本機械学会東北学生会第56回卒業研究発表会では、専攻科グローバル地域創生工学専攻2年(発表当時)の細川遥花さんが、「第47回工作機械技術振興賞・奨励賞」を受賞しました。受賞対象となった卒業研究テーマは、「電界スライシング技術におけるSiインゴットの切断特性について」です。本研究は、学生が中心となり、秋田県産業技術センターとの共同研究として5年間にわたり継続して取り組んできたものであり、全国の大学生や高専生による数多くの研究発表の中から高い評価を受け、今回の受賞に至りました。
https://www.akita-nct.ac.jp/2026071301-2/

令和8年7月3日の第17回日本応用糖質科学会東北支部会では、グローバル地域創生工学専攻1年の菅野結菜さんがMIP賞(Most Impressive Presentation Award)を受賞しました。「澱粉合成酵素の遺伝子型が異なるモチ米変異体の食味官能評価」の題目でポスター発表を行い、澱粉生合成メカニズムと食味の関係を明確にした研究成果に加えて、詳細を理解した丁寧な説明が高く評価されました。
https://www.akita-nct.ac.jp/2026071302-2/

令和8年7月11-12日の公益社団法人日本水環境学会が主催するWater and Environment Technology Conferenceでは、技術教育支援センターの大友渉平技術専門職員(筆頭著者)、土木・建築系の増田周平教授(責任著者)が、「WET Excellent Paper Award」を受賞し、論文題目「Spatial Distribution of Atmospheric N₂O Around a Full-scale Carrousel Reactor」の特別講演を行いました。さらに同学会において、大友渉平技術専門職員(発表者)、増田周平教授(共同研究者)が、発表題目「A Single-Equation Model for Predicting Dissolved N₂O Concentrations in Conventional Activated Sludge Systems」で「WET Excellent Presentation Award」を受賞しました。
https://www.akita-nct.ac.jp/2026072903-2/

このように、本校の学生や技術専門職員の研究成果が、大学生や大学教員が参加する学会の中で高く評価されるものが数多くあることは、秋田高専の特長の一つと言えるのではないかと思います。

また、秋田の伝統文化を活かした取組でのユニークな受賞もありました。
秋田県には、重要無形民俗文化財が18件あり、全国1位を誇ります。この中で、毎年7月に開催される土崎港曳山まつりは、開催場所が秋田高専の近くです。
このため、秋田高専では、土木・建築系の井上誠教授の研究室を中心に、教員・学生、協力団体、地域の関係者が連携し、20台以上の曳山の現在地がわかる“ひきやまっぷ”というウェブサイトを毎年公開しています。この取組は、曳山にスマートフォンを設置し、30秒ごとにGPS位置情報を送信することでリアルタイムで曳山の位置を確認できるというものです。2025年の曳山まつり当日には約15,000件のユニークアクセスを記録し、利用者へのアンケートでも90%以上が「役に立った」と回答がありました。この功績に対して、令和8年7月、ソフトバンク産学連携プロジェクト AWARD2025創意工夫部門を受賞しました。
https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20260727_01