皆さまいかがお過ごしでしょうか。
秋田高専のホームページにようこそ。
秋田高専の校長の高橋です。
本校のホームページをご覧になる皆様はお気づきのことと思いますが、今月から秋田高専の今年度の学生募集説明会が始まります。関係の情報をご確認いただいて、少しでもご感心のある方は、ぜひご参加いただければと存じます。
秋田高専の説明会は、毎月1回は校内で土曜日に開催します。毎月やりますから、少人数で質問などが自由にできる雰囲気です。また、今年度からは、秋田高専の在校生にも登場してもらって、先輩として後輩である中学3年生にアドバイスをする企画も用意しています。
さて、学生募集は毎年のことではありますが、秋田高専として、どんな学生に入学してきてほしいのか。今年度の募集の開始にあたっては、この点を改めて学校内で議論してみました。
まず、やはり高専という学校の一番の特徴である中学卒業してから5年間の一貫教育であることと、大学で取り扱うようなレベルのところまで勉強を進めていくということ。この点は、どうしても高等学校との違いとしておさえておくことが必要です。
つまり、高専での勉強は、高校から大学という段階を経るかたちよりもペースがはやくならざるを得ない。1年の段階では中学校からの接続を意識してペース配分を調整していますが、2年になると専門的な科目が入ってきて授業内容は一気に深化してきます。そして、5年生で卒業する際には、卒業研究として大学の卒業論文に相当する研究をまとめることが必要になります。
このようなハイペースな勉強をやり抜くには、それは一定の学力は必要でしょうけれども、中学までの勉強で数学や理科が得意であったからというだけでは高専生活を完走することはできないと思うのです。なによりもエンジニアになりたいという強い意欲とやり遂げる意志が必要です。
高専で勉強するための学力の目安は推薦選抜の基準としてお示ししていますが、高専で勉強しようという意欲・熱意については、これは高専を希望する方それぞれがじっくりと考えていただいて、決意をかためていただく他ありません。
実際問題として、在学中に勉強で苦労しても、秋田高専の指導担当の教員やクラス・研究室の仲間と助け合いながら頑張って卒業して就職し、国内外で活躍している卒業生がたくさんいます。秋田高専での勉強にどれだけ真剣に真正面から取り組むことができるか。仲間と助け合って補い合い力を合わせて勉強することができるか。それは成績以上に大事なことです。
高専が目指しているエンジニアとは、社会で活躍できるエンジニアです。専門的な技術的な実力を身に付けた上で、国際的な視野を持ち社会に責任をもって解決策を提案していける、そんな社会を引っ張っていけるようなリーディングエンジニアを養成していく。となれば、成績だけよくても、専門的な知識だけ豊富であっても、それだけでは十分ではありません。社会に対する責任感や、仲間とともに力を合わせて大きな仕事に取り組むことのできる力を備えていなければいけません。
秋田高専では、風力発電に関係して(独)国立高等専門学校機構から特別に予算を配分してもらい、資源エネルギー庁と関係する業界の皆様のご支援をいただいて、昨年度から教育プロジェクトをスタートさせています。
業界の方々からの高専生への期待として寄せられる声も、社会に出て仲間とともに働くための人間としての力を身につけてほしい、国内外のどこに行っても物怖じしないように高専で経験を積んで地力を身につけておいてほしい、ということです。人間としての足腰さえしっかりしていれば、社会に出てからいくらでも成長することができます。社会に出てから成長できるエンジニアこそが社会を引っ張っていけるエンジニアです。
これからの説明会等の機会で、秋田高専での学生生活を十分にご理解いただけるように工夫していきたいと思います。ホームページに高専生活を取り上げた動画などを掲載することも進めていきます。秋田高専が求める意欲と熱意ある中学3年生に秋田高専の声が届くように努めてまいりたいと考えています。
さて、本稿を読んでいただいている中には高専に関心を持つ中学3年生もいらっしゃることかと思います。
高専で勉強してエンジニアの道を考えている方は、まずは中学3年生の勉強に全力で取り組んでください。部活に打ち込んでいる方もいると思いますが、中学生最後の大会に向けて悔いのない練習を積んでください。
一日一日を決しておろそかにしないことです。みなさんが高専を選んでも、別の進路を選んだとしても、その選択に悔いの残らないように十分に準備をしてください。
秋田高専は、決してなんでもOKのイージーな学校ではないかもしれません。しかし、熱意ある学生には最大のチャンスを与えることのできる学校だと自負しています。
また、高専を進路として選ぶとお住いの都道府県内での選択肢が厳しい方もいらっしゃるでしょう。そこは他の都道府県の高専も検討の対象に加えて考えてみてください。秋田高専でも、多くの県外からの学生が寮生活を送りながら勉強しています。
中学卒業後の進路の選択は、みなさんの人生の最初の大きな選択になりますから、ご家族や中学の先生方とよく相談をして焦らずに決めてください。
秋田高専は、熱意ある将来のリーディングエンジニアの入学を心から待っています。