皆さまいかがお過ごしでしょうか。
秋田高専のホームページにようこそ。
秋田高専の校長の高橋です。
7月から大変な猛暑です。
猛暑とともに降雨不足で秋田のコメも心配されています。
その後、8月に入ったら断続的に雷を伴う激しい雨となり、一転して河川の氾濫や土砂崩れの対応をしなければいけないということになっています。
天気とケンカをしても文句を言っても始まらないのですが、あまりにも激しい天候が続き、本校でも管理棟の空調がダウンしてしまいました。
冬の厳しさに比べれば、もともと夏の暑さはそれほどではなかった秋田ですから、本校の暑さ対策は遅れを取っていました。特に学生寮の冷房の整備が十分ではなく、今年の猛烈な暑さもあって多くのご指摘をいただきました。さっそく来年度に向けて、(独)国立高等専門学校機構とも協議して冷房関係の条件整備を進めております。
さて、このような中ではありますが、本校の立地する秋田市では、夏のお祭りで大いに盛り上がりました。
本校は秋田市の北部にありますが、秋田市北部の中心である土崎のお祭り「土崎港曳山まつり」が7月20日21日に開催されました。
土崎港は、古くは平安時代から雄物川の河口の港として利用されており、江戸時代は藩の港として、北前船の寄港地として栄えました。明治以降は国内最大の油田地帯の港として製油所が立ち並び、昭和16年には秋田市に編入されました。
「土崎港曳山まつり」は、港町として栄えた江戸時代から続く伝統行事で、土崎の各地区が歴史や神話に題材を取った人形を飾り付けた山車を繰り出して大通りを練り歩きます。
夏の暑い時期の2日間にわたる「土崎港曳山まつり」は、土崎の人たちの郷土への思いの詰まった大切なお祭りであり、今年も多くの見物客を集めて盛大に開催されました。
8月3日から6日にかけて開催された「秋田竿燈まつり」は、全国的な知名度があります。
「秋田竿燈まつり」に合わせて毎年秋田港(旧土崎港)にはクルーズ船も寄港しますし、秋田市内のホテルの予約が難しくなります。秋田市中心部の「秋田竿燈まつり」の会場となる大通りは「竿燈大通」と名付けられていますが、国内外から多くの見物客を集める「秋田竿燈まつり」は秋田の一大イベントです。
「土崎港曳山まつり」と「秋田竿燈まつり」が予定通り開催され、秋田高専も夏休みに入りました。
夏休みでの秋田高専の目玉行事は、オープンキャンパスです。
オープンキャンパスは、来年度の新入生の募集のために学校を開放して秋田高専の活動を実際に見ていただくための行事です。
8月9日に開催し、295名の方にご来校いただきました。本当にありがとうございました。
秋田高専では、特に力を入れて今年度から学生がオープンキャンパスや学校説明会の主役として活躍できるように工夫をしています。
学校の実際の様子を肌で感じていただくためには、学生が直接の当事者として生の声をお届けするのが最もよいと考えてのことです。また、学生にとっても、学校を代表して行事に参加することは貴重な経験となります。
学生主体の行事としては毎年秋に高専祭を開催していますが、高専祭は単なるお楽しみ会ではなく、学生が自ら企画して開催する学校をあげての行事の実行を通じての貴重な勉強の機会です。
高専生が社会に出て活躍していくためには勉強だけでは十分ではありません。挨拶ひとつとっても、しっかりとした態度で来校者に対応できているのか。仲間と協力して行事をやり遂げられるのか。説明の内容は適切でわかりやすいものなのか。校内で戸惑う来校者に対して心配りをしてご案内ができるか。様々な局面で社会に出てから求められる大人として振る舞いが必要になります。オープンキャンパスや学校説明会での実地の経験を通じて、学生に大いに学んでほしいと考えています。
高専生は、進路の面では考えられないくらいに恵まれていますが、その恵まれた境遇を本当に理解できているのかが心配になります。
例えば進路指導の局面などでは、実際に教員から恵まれた境遇をもっと活かして貪欲に挑戦するように指導しなければならいこともあります。謙虚さといえばきこえはいいですが、少し世間知らずが過ぎるのではないかと心配になります。
誰でも名前を聞けば驚くような企業の幹部の方がわざわざ本校を訪問し、積極的に求人に応募してほしいとご説明をいただくことも多いです。その待遇たるや、昨今の初任給の上昇傾向を織り込んだうえに、入社した後には大卒と高専卒で人事上の区別はもうけない実力主義で重役への道がひらけていること、さらに高専の勉強を基礎とした研修期間を設定して長い目で戦力として育てていただけるという、考えられないようなおはなしなのです。
もちろん企業として十分に目算があってのご提案なのですが、ここまで高専生にご期待をいただくと、本当に入社したあとに大丈夫かご期待にそえるのか心配になります。
本校の学生には、このような恵まれた環境にあることを実際の経験を通じて実感してもらい、高専生としての責任感を感じて勉強に打ち込んでもらいたいと思います。そのために、本校では学生が実際に企業を訪問して体験をする機会を増やすことに力を入れています。企業の方に本校におこしいただいて講義などしていただくこともありがたいのですが、学生の意識を高め意欲を喚起するためには、やはり実地での体験に優るものはありません。
美しい自然と各地のお祭りに見られるような素晴らしい文化を持つ秋田ですが、県内であろうと県外であろうと、高専生の活躍の場はどこにでも見つけることができます。多くの方からご期待をいただいている高専生として、本校の学生が十分に経験を積んで社会に出ていくことができるように、学校の内外で一層の工夫を重ねてまいります。