令和8年3月9日、本校を会場に、国立高等専門学校機構が主催するグローバルFD・SD研修「KOSEN国際化シンポジウムin秋田」が開催され、本校の「テクノコミュニティ」を主会場として対面で行われ、全国51の高専にもオンラインで同時配信されました。
テーマは「ネイティブ教員から見たオンキャンパス国際化」。留学に行くだけではなく、普段の学校生活(オンキャンパス)をいかに国際的な環境にするかについて、秋田高専と仙台高専の実践例をもとに、全国の教職員が熱心な議論を交わしました。
シンポジウムの幕開けに際し、主催者を代表して国立高専機構の中島英治理事が登壇し、機構全体で推進する国際化の重要性について開会の挨拶を述べました。続いて、本校の高橋雅之校長が挨拶に立ち、本校がこれまで培ってきた国際交流の土壌と、キャンパスの日常をグローバル化していくことの意義を強調しました。
今回のシンポジウムの最大の狙いは、高専機構が進める「オンキャンパス(校内)の国際化」を加速させることにあります。すべての学生が長期間の留学に行けるわけではない現状を踏まえ、キャンパスに在籍する外国人教員(ネイティブ教員)の知恵やスキルを活用し、日常の授業や活動をいかにグローバルなものへ変えていくかが議論の柱となりました。
ここからは、本シンポジウムに登壇した三名の教員によるプレゼンテーションの内容を振り返ります。


教員の1割が外国人!秋田高専が描く「国際対応力」のグランドデザイン
シンポジウムの幕開けとして、本校の西野智路先生【校長補佐(国際担当)】が、学校全体のダイナミックな戦略を語りました。秋田高専の大きな特徴は、全教員の約1割にあたる6名の外国人教員が各学科に配置されていることです。西野先生は「5年間で最低1度は海外を体験する」という海外研修全員化の目標を掲げ、2025年度には79名を派遣した実績を紹介しました。また、タイやモンゴルの高専との強力な連携(MOU)や、地元企業と協力した海外工場見学など、「技術を武器に世界で働く姿」を具体的にイメージさせる教育体制が整っていることを強調しました。

「英語で学ぶ」から「英語を使いこなす」へ : 自信を育むタスク型学習
こうした学校全体の戦略を、教室という現場で「生きた力」に変えているのが、同じく本校のティラビ・イビフ先生の実践です。ティラビ先生は、教科書の暗記ではなく、「健康」などの身近なテーマについて英語で意思疎通を図る「タスク型学習(TBL)」を主役にした授業を展開しています。学生は会話を録画して自らのパフォーマンスを確認し、間違いをすべて直すのではなく「コミュニケーションが成立しているか」を重視することで、自信を高めていきます。この指導の結果、秋田高専の学生は「全国高専英語プレゼンテーションコンテスト」で東北地区1位や全国大会での特別賞(COCET賞)を連続受賞するなど、圧倒的な成果を収めています。

専門知識と英語を同時に。広がるバイリンガル教育の輪
仙台高専(名取キャンパス)の田須ニシス先生は、材料力学などの専門科目を日本語と英語の両方で教える「バイリンガル授業」の実践について発表しました。漢字で概念を正しく理解した後に英語でアウトプットする手法により、学生からは専門知識と英語力が相乗効果で伸びたという手応えが寄せられています。二言語による教材準備などの課題に触れつつも、学生が1分間英語で話しきるという経験自体が、将来の技術者に不可欠な達成感と自信を生み出していると説きました。

シンポジウムの最後には、多くの質問が寄せられ、活発な質疑応答が行われました。最後には今後の参考とするためのアンケートも実施され、参加者の熱意が冷めぬまま、盛会のうちに幕を閉じました。

